【自然農】『無農薬野菜』とは言わなくなったらしい

自然農(農薬不使用)

ずっと『無農薬野菜』だった

Momomoのゆうちゃんが生まれる前から食べていた野菜

母が長子である私を身籠っているとき、『一緒に安全な食べ物を食べませんか』というチラシを見たらしい。母が共同購入に参加していたので、私は主に長野県産の『無農薬野菜』を食べて育ちました。食べていた野菜の多くは有機JAS認証とかを受けていない野菜だったと思う。でもあまり農薬を使っていない野菜。そして母は自然食品店で低農薬や減農薬の果物とかも買っていた。農薬散布何回とか書いてあった気がする。有機野菜とか無農薬とか減農薬。そういう単語に囲まれて育った。

海外のオーガニックとかビオ

海外でも可能なときは認証を受けているオーガニックやビオと書かれている野菜や果物を買ってきた。海外で認証を受けていないけれど農薬や化学肥料を使っていない作物はスプレーフリー(農薬などをスプレーしていないよ〜という意味)とか言われてマーケットとかで売っていた。それらを私は自分の頭の中でひとまとめに『無農薬』と変換していた気がする。

平成16年から『無農薬』とか『減農薬』は禁句

何も考えないで「無農薬野菜を多く食べて育った」とか言ってきたけれど、いつの間にか無農薬という言葉が使われない言葉になっていた。詳しくは、特別栽培農産物に係る表示ガイドラインが平成4年10月に制定され、その後改正を繰り返し、平成15年5月の改正でそれらの表記が禁止されていた〜。その時のプレスリリース情報によると、普及定着期間を設けて、平成16年3月31日以降が禁止でした。

特別栽培農産物に係る表示ガイドライン(農林生産省)
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/tokusai_a-5.pdf 
特別栽培農産物に係る表示ガイドラインの改正についての平成15年5月プレスリリース(農林生産省)
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/tokusai_a-3.pdf

現代版『無農薬』の言い方・書き方など

なぜ『無農薬』という表記が平成16年から禁止に

消費者からの意見を元に変更したと書いてある。『無農薬栽培』の表示が実際のものより優良なように誤認される可能性があるとか、『減農薬栽培』の農薬使用量が何を基準にどのぐらい少ないのか定義が曖昧、というようなことらしい。例えば、自分で農薬を撒いていなくても農業用水路の水を使って野菜を育てている時に上流で農薬や何かが入り込んだり、栽培中には分からなかったりコントロールできない部分があるので、『無農薬』と表示すると実際より有利に言ってしまっている可能性があるという考え。それを受けて平成16年からは無農薬栽培、無化学肥料栽培、減農薬栽培、減化学肥料栽培が一括りに『特別栽培農産物』になったらしい。

無農薬栽培⇨『農薬:栽培期間中不使用』(特別栽培農産物の表示の仕方)

平成16年からは、禁止になった表記の代わりに、『農薬:栽培期間中不使用』や『化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用』が正しい表記方法になりました。現代の日本の農業は地域や作物の種類でレベルは違えど化学的に合成された農薬や肥料を使うのが慣行になっている。慣行農業はそういう農業。そして、有機JAS認証を受けているのが自然派な有機農業。『農薬:栽培期間中不使用』や『化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用』と表記を求められている特別栽培は、慣行農業と有機農業の中間にあるという位置づけで表現されているのをよく見かける。

でも、実際はみんながみんな中間かどうかはわからないですね。お金がかかるからとか他の考え方によって有機JAS認証を受けていないけれどオーガニック認証センターや有機農産物の日本農林規格とかそういう基準以上にこだわって育てている場合もあります。

そして余談ですが、日本で決まりがないから表記しても咎められないのは、ビオとかスプレーフリーですね。

有機JAS認証の基準

因みに、有機JAS認証の基準は、種まきや植え付け前2年以上禁止されている化学合成農薬や肥料を使用しないです。その他に、周辺からの使用禁止資材などが流入しないように気をつけていることや、DNA技術(遺伝子組み換え)や放射線照射を利用しないこと、もあります。環境に負荷をかけないとか農地が生産力を発揮できるようにするという素敵な考え方/姿勢もその一部です。

有機農業や有機農産物について(農林生産省)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/index-37.pdf
オーガニックとは?(オーガニック認証センター)
http://www.organic-cert.or.jp/organic.html
有機農産物の日本農林規格
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/54949.pdf

個人的な気持ちとしては

『無農薬』って言い続けたかった。残念。農業のことは、色々と深い問題も、課題もたくさんあるのだと思う。でも、簡単に、農薬使わないで作ったんだよ〜、というのを無農薬栽培だよって表示できて、買う人も『無農薬』のキーワードで探したり会話できるのは、シンプルで良かったと思う。農業用水や風やその他のルートで農薬が入ってくるのはわかる。栽培が始まる前にその土地がどういう土地だったかとか、確かに気になることは沢山。そして、有機JAS認証制度があるのもわかる。でも、栽培期間中農薬不使用、か。長いなぁ。色々と難しいなぁ。まとまらない気持ちがあります。

私のパートナーの農業

農家になるのって大変

またの機会に詳しく書くかもしれないのですが、農家になるって大変だということが始めてみてわかりました。まだ正式農家になれていないです。農業を始めたら、色々と難しいシステムもあるし、経費がかかるし、収入を得るのも大変。虫がいるし、コントロールできない気候のこともあるし、知識不足でうまくいかなかったり。環境を考え農地を育てて、元気なおいしい野菜を育てるって凄いこと。

自然農も色々みたい

うちのパートナーは自然農に興味があるのだけれど、私は細かいことはよくわかりません。元になっている福岡正信氏の『自然農法』とか、あとお二人ぐらい有名な方々がいるらしい。耕さない、除草しない、肥料を使わない、が基本なのでしょうけれど、そんな感じの農業を実践している方々のなかでも様々なアレンジや考え方があるみたいです。あちこちにお邪魔して、お話を聞くと、それぞれの人が文献や体験談のような学問的なことプラス自分でも土や虫や気候など観察研究しながらやっていて、素敵です。うちのは自然農とか言って良いのかどうか。なんだかんだで自然農っぽい感じ。草はぼうぼう。

まだまだずっと家庭菜園

我が家は基本的に、農薬や化学肥料や除草剤を使わないで、あとは楽しく、楽して、美味しくって感じでしょうか。規模も小さいし、労働力も少ない。私がちゃんと手伝わないからほぼ一人。今は小規模農業と言うより家庭菜園を始めた感じです。バイオダイナミック農法やパーマカルチャーも興味あるし、色々と試してみるのが良さそう。健全な土地や野菜を目指して、活動開始です。

細々と販売開始!

先日から、道の駅の『田切の里』さんに出荷を始めました。これからよろしくお願いします!

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